英語の勉強をしていて、「この動詞の後ろに来るのは動名詞(-ing)だっけ?それとも to 不定詞(to+動詞の原形)だっけ…?」と迷ってしまうこと、ありませんか?
結論からお伝えすると、動名詞とto不定詞の使い分けは「動詞①(前の動詞)と動詞②(後ろの動詞)のイメージが重なり合っているか、離れているか」という本質的な距離感だけで一発で判断できます。
丸暗記の暗記リストから卒業して、英語ネイティブと同じ感覚・イメージでスッキリ使い分けられるようになる秘訣を、語学系キャリアカウンセラーの目線から分かりやすく紐解いていきますね!
お茶でも飲みながら、友達とおしゃべりするような気軽な感覚で読んでみてください!
英文法をイメージで理解する!ネイティブの感覚とは?
ネイティブスピーカーが母語を話すとき、頭の中で文法規則や例外リストをいちいち思い出しているわけではありません。
彼らは「思いついたイメージをそのまま言葉に出す」という感覚でリアルタイムに会話をしています。
日本語を話す私たちが「ご飯を食べる」と言うときに文法を意識しないのと同じですよね。
複雑な文を慎重に構築する場合を除いて、ネイティブは脳内の感覚と表現を反射的に一致させています。
つまり、英語ネイティブの頭の中には「動名詞(-ing)が持つ固有のイメージ」と「to不定詞(to V)が持つ固有のイメージ」が明確に存在し、伝えたい場面に応じて直感的に使い分けているのです。
この記事では、理解をスムーズにするために以下の表記を使って解説していきますね。
- 動詞①:前にある動詞(例:remember, stop, decide など)
- 動詞②:後ろに来る動詞(例:writing, to write など)
- 形:`動詞① + 動詞②ing` または `動詞① + to 動詞②`
この2つのパターンの裏側にあるココロ(視点)を覗いてみましょう!
動名詞(-ing)とto不定詞(to V)の根本イメージ

1. 動詞① + 動詞②ing(動名詞)のイメージ:重なり合い(be / have 関係)
`動詞① + 動詞②ing` の形では、2つの動詞の間に前置詞などの繋ぎ言葉が何もありません。
専門的には「ゼロ前置詞(無前置詞)」などと呼ばれる状態ですが、このように語句が直接並んでいるとき、両者の間には「be」または「have」の関係(=重なり合い)が存在しています。
`X be Y`(XはYである)と `X have Y`(XはYを持っている)は、主従関係のニュアンスにわずかな差があるだけで、本質的なイメージは「一体化している・密接に重なっている」という点で非常によく似ています。
そのため、動名詞を使うときは「動詞①と動詞②が時間的・心理的に重なり合っている状態」を表すことになります。
- 実際にすでにやっていること
- 今まさに頭の中や目の前で展開しているリアリティのあること
- 継続的に身近にあること
これらはすべて「重なり合い」の感覚から生まれています。
2. 動詞① + to 動詞②(to不定詞)のイメージ:離れている・向かい合っている

一方、`to` が入る場合はどうでしょうか。
ここでの `to` は文法上は不定詞の記号ですが、前置詞 `to` と同じ本質イメージで捉えることができます。
`to` はよく「到達」と説明されますが、より正確には「対象に向き合っているけれど、まだ接していない(離れている)」というイメージです。
顔と顔を向かい合わせる `face to face` の `to` を思い浮かべると分かりやすいですね。
「ルビンの壺」の絵のように、2つの視点が向かい合っているけれど、隙間があって触れ合ってはいない状態です。
したがって、`動詞① + to 動詞②` の場合は、「動詞①と動詞②が重なり合っておらず、時間的・心理的に距離がある(離れている)」というイメージになります。
- これから向かっていく未来のこと
- まだ実現していない未完了のこと
- 意識をそっちへ向けようとしている動作
このように、「これから〜すること」に向かって手を伸ばすような感覚が `to` なのです。
【徹底比較】例文で実感するイメージの決定的な違い
概念が分かったところで、実際の例文を使ってこの「重なり合い(近さ)」と「離れている(距離感)」の差を体感してみましょう!
例1:like(〜が好き)
- I like playing tennis.
- I like to play tennis.
一見するとどちらも「テニスをするのが好き」ですが、ネイティブの頭の中では景色が少し違います。
迷ったときは、`like` の主語である 「I」と「play」の距離感に注目してみてください。

`playing`(動名詞)を使う場合、普段から頻繁にテニスをプレーしていたり、いつでも頭の中にテニスの楽しさが充満しているような「私とテニスが常に重なり合っている(近い)」イメージになります。
一方で `to play`(to不定詞)を使う場合は、「テニスは好きだけど最近は忙しくてできていない」とか「やったことはないけれど、機会があればやってみたい」のように、「私とテニスが少し離れた場所にある」感覚を表現します。
例2:remember(〜を覚えている・記憶する)
- (ア)I remember writing to her.
- (イ)Remember to write to her.
(ア)の動名詞パターンでは、「私が彼女に手紙を書いた(writing)」という過去の事実や情景が、すでに自分の経験として心の中にすっぽり重なり合って存在しています(haveしている状態)。だから「(過去に)彼女へ手紙を書いたことを覚えている」という意味になります。
(イ)の to不定詞パターンでは、「覚えている(remember)」という現在の動作と、「手紙を書く(write)」という動作が時間的に離れています。これから未来に向かって「忘れずに手紙を書いてね」と、動作に向かっていく矢印のイメージになるわけです。
例3:stop(〜をやめる/〜するために立ち止まる)
- (ウ)He stopped smoking.
- (エ)He stopped to smoke.
(ウ)は、彼がタバコを吸っている状態(He was smoking)と重なっていた日常から、その行為を「ピタッと止めた(stop)」ことを表します。重なり合っていた状態が前提にあるため、「タバコを吸うのをやめた(禁煙した)」となります。
(エ)は、まず「立ち止まる・動きを止める(stop)」という動作があり、その後に「タバコを吸う(smoke)」という別の動作が待っています。stop と smoke が時間的に離れているため、「タバコを吸うために立ち止まった」という意味になります。
なぜ片方しか使えない動詞があるの?(decide と avoid)
「remember や stop は両方使えるから意味の違いで判断できるけど、片方しか使えない動詞はどうやって見分けるの?」と思いますよね。
実はこれも、日本語の訳語ではなく英単語本来のコア・イメージを知れば自然と納得できます!
動詞 後ろに来る形 コア・イメージ なぜその形になるのか?
decide to V のみ 切り離す・決断する これから行う未来の選択肢に向かって決断するため、動作と時間的に「離れている(to)」
avoid -ing のみ 空(から)にする・取り除く 対象をガシッと掴んで排除するため、対象と「重なり合っている(-ing)」
具体的にそれぞれの頭の中の動きを見てみましょう!
(オ)I decided to move. (引っ越すことを決めた)
この場面で `I decided moving` と言うことはできません。
決断する(decide)時点では、まだ引っ越し(move)は完了しておらず、これから未来に向かって実行されることだからです。
「決心する」という日本語訳にとらわれると「心の中で引っ越しを強くイメージしているから重なり合い(動名詞)では?」と勘違いしがちですが、`decide` の本来の語源的イメージは「(迷いや検討中の状態から)切り離す」です。
悩みから切り離して、未来の決定事項に向かって一歩踏み出すニュアンスなので、離れている `to` がピッタリ合致します。
(カ)Avoid using informal language. (崩れた言葉遣いを避けなさい)
ここで `Avoid to use…` と言うのは不自然です。
「避ける」という日本語訳だけを聞くと、「対象から遠ざかるんだから、距離のある to不定詞じゃないの?」と感じるかもしれませんよね。
しかし、`avoid` の本来の意味(語源)は「空(から)にする・取り除く」です。
遠くから眺めてコソコソ避けるのではなく、目の前にある問題や対象を「ガシッと手で掴んで取り除き、その場を空にする」というダイナミックなイメージなのです。
この「対象をガシッと掴んでいる状態」こそが、まさに `have` や `be` の重なり合い(動名詞)そのもの!だからこそ `avoid` の後ろには動名詞がやってきます。
語学系キャリアカウンセラーが考える「英語脳」へのアプローチ
ここまでの解説を通して、「英文法って丸暗記じゃなくて、こんなに立体的な世界観があったんだ!」と感じていただけたらとても嬉しいです。
私は日頃、語学を活かしてキャリアを広げたい方のカウンセリングを行っていますが、英語学習で壁にぶつかる方の多くが「日本語の訳語だけで英語を理解しようとしている」という共通点を持っています。
日本語は、自分自身がその場面の中に入り込んで描写する「当事者視点」が得意な言語です。
一方で英語は、全体の位置関係や距離感を上空から見下ろすような「俯瞰的(ふかんてき)な視点」で世界を捉える言語という特徴があります。
「動名詞=重なり合い」「to不定詞=離れている」という視点は、まさに英語特有の俯瞰的な観察眼そのものなんです。
単語帳の「メガフェプス(MEGAFEPS)」のような語呂合わせで暗記するのもテスト対策としては一つの方法ですが、本当の意味でスラスラ話せる・読めるようになるためには、英英辞典を引いてみたり、単語の語源やニュアンスの解説に触れたりして、「ネイティブが見ている景色」をインストールしていくことが一番の近道ですよ!
まとめ
動詞の後に動名詞が来るか、to不定詞が来るかの使い分けについてポイントを振り返りましょう!
- 動名詞(-ing):動詞①と動詞②のイメージが「重なり合っている(be / haveの関係)」。実際にやっていること、リアルな体験、すでに起きたこと。
- to不定詞(to V):動詞①と動詞②のイメージが「離れている」。これから向かっていく未来の動作、未完了のこと。
- 日本語の訳語に惑わされない:`decide`(切り離して未来へ向かう=to)、`avoid`(掴んで取り除く=-ing)のように、単語本来のコア・イメージで捉えることが大切!
文法規則を丸暗記しようとすると大変ですが、イメージの「距離感」さえ掴んでおけば、初めて見る表現に出会ったときでも直感的に理解できるようになります。
「英語って面白いかも!」という小さなアハ体験を積み重ねて、自分らしいキャリアや学びを楽しく広げていきましょうね。応援しています!
参考文献
日本語と英語の「視点(立ち位置)の違い」や認知言語学の観点から英語の仕組みを学びたい方には、以下の書籍が大変勉強になります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 動名詞しか取らない動詞(メガフェプス等)を効率よく覚えるコツはありますか?
暗記リストを使うのも一案ですが、「すでに進行していることや過去の体験を頭の中に思い浮かべて操作する動詞(finish, enjoy, avoid, mind など)」という共通のイメージでグループ分けすると、丸暗記しなくても感覚的に頭に入りやすくなります。
Q2. try to V と try -ing はどう使い分ければいいですか?
`try to V` は「(離れている目標に向かって)〜しようと試みる・努力する」となり、実際にはできなかったニュアンスを含みます。一方 `try -ing` は「(実際に体験を重ねる感覚で)試しに〜してみる」となり、動作自体は実際に行っている違いがあります。
Q3. ネイティブ感覚を身につけるには英英辞典を使った方がいいですか?
はい、非常におすすめです!英和辞典の「日本語の訳語」はどうしても日本語の当事者視点に変換されてしまうため、簡単な単語ほど Longman や Oxford などの英英辞典(Learner’s Dictionaries)で定義やイメージを確認すると、動詞が持つ本来のニュアンスが直感的に掴めるようになります。

